PC版:原神をWQHD/4K最高画質でプレイするのに必要なGPUスペックとは

最近、流行している「アニメ調」ゲームを代表する原神。
今回は、そんな原神をさらに画質を向上させてプレイするためにPC購入を検討している方へ向けて、「どんなスペックを採用すれば良いのか」という目安を1世代前のハイエンドGPUであるRTX3080を搭載した筆者のPCやその他ベンチマークを比較して解説します。

結論

4Kゲーミングモニターを採用するならRTX4070”Ti”以上を搭載したPC

高解像度で高リフレッシュレートを実現した「4Kゲーミングモニター」を採用して、原神だけでなく、幅広いゲームを4Kでプレイしたいと検討している方は、「RTX4070Ti」以上のGPUを採用したゲーミングPCが一番最適です。

RTX4070Ti以上を採用したPCは、あらゆるゲームでの4Kゲーミングで60FPS以上を達成しており、1秒間に60枚以上を描写できる「4Kゲーミングモニター」との相性は最高です。
ゲーム内のグラフィック設定など、深く煮詰めることが億劫である人ほど、採用価値のあるGPUになっています。

RTX3080と同等性能のRTX4070はWQHD向き

WQHDと呼ばれる解像度2560*1440でのゲーミングモニターの採用を検討している場合は、筆者のPCに搭載されているRTX3080とほぼ同等性能である新世代GPU「RTX4070」を搭載したPCがもっともおすすめ。

RTX4070は、4Kでのゲームプレイはゲームの種類に左右されストレスなく行えるわけではないものの、2K/WQHDである1440Pでのゲームプレイではほとんど60FPS以上を達成しており、フルHDよりも高精細を楽しみつつ、価格と性能のバランスが最も良い「WQHDゲーミングモニター」との相性が最高です。

メインゲームで4K/WQHDを想定しているなら、RTX4070以下はおすすめできない

柔軟に対応できるゲーム設定と物理的な設計から対応できないモニター

おすすめできない理由として、ゲーム設定とモニター設計の矛盾があります。

ゲームというソフトウェアは、あらゆるハードウェアに対応するため様々な解像度で設定し、さらにウィンドウ表示にするか、全画面表示にするかなど、豊富な設定項目が存在しますが、ハードウェアであるモニターは、決められた数のドットがあらかじめ埋め込まれているため、その数を後から変更することは不可能です。

今回、この記事を訪れてきてくれている方々は、PCでプレイするメインゲームは「原神」を想定しており、さらに高解像度での没入感を追求したいと思っているはずです。

例えば、「原神を4Kでプレイ」、その他負荷がかかるゲームは「フルHDでプレイ」という考え方もあると思いますし、実際使用しているモニターよりも低い解像度でフルスクリーン表示にすることができます。
いわゆる「拡大表示(引き延ばし)」という方法を用いた臨機応変に変更できることが利点のプレイですが、これには明確なデメリットが存在します。

図のように設定された解像度の描写を目的の解像度まで引き延ばすことが出来る「拡大表示」ですが、引き延ばされることによって「画質の劣化」が現れます

画面をズームし、スライドしながら比較してみてください。
拡大した解像度は、ネイティブな高解像度と比較するとぼやけているように感じたり、遠い距離の描写が薄いと感じると思います。
静止画だと伝わりにくい部分もありますが、このデメリットは動く映像だと顕著に体感でき、対人ゲームなどでは対面の相手が視認しにくいなどの問題につながります。
RPGゲームでの没入感に欠かせない、光の反射や影なども、モニターの解像度ではなくゲーム内で設定されたレンダリング解像度を参照して描画されるため、引き延ばしてしまうと効果が薄くなります。

このように、メインゲームを「高解像度」でプレイする以上、「高解像度モニターの採用が必須」となることから、サブゲーム達のプレイも「メインゲームと同じ解像度でプレイする」ことが最適解となるため、メインゲームの要求GPUスペックが低いからと言って、ゲームに左右されやすいグレードの低いGPUを採用してしまうとサブゲームの体験を損なう恐れがあります。

各解像度の最低/最高設定比較

フルHD(1920*1080)の比較

WQHD(2560*1440)の比較

4K(3840*2160)の比較

公式の推奨スペックで4Kプレイは可能なのか

公式が掲載している推奨スペックは下記※推奨及び対応可能デバイスについて

原神公式推奨スペック

システム:Windows 10 64-bit、またはWindows 11 64-bit

CPU:Intel® Core™ i7(第7世代)またはそれ以上の性能を持つもの

RAM:16 GB

単体GPU: NVIDIA® GeForce® GT 1060 6GBまたはそれ以上の性能を持つもの

DirectXバージョン:11

初回インストールに必要なストレージ:150GB以上の空き容量が必要

通常ストレージ:100GB以上の空き容量が必要

「プレイできない」わけではないがフレームレートは画質設定次第

公式の掲載している推奨GPUである「GTX1060」を搭載したPCでテストが行われている動画です。
各種プリセット設定で比較されており、左上のパラメーターを見ることで動作状況が確認できます。

各グラフィックプリセットの平均フレームレート
最高設定中設定低設定最低設定
32FPS41FPS50FPS60FPS

レンダリング精度1.0以下は拡大表示とほぼ一緒

PC版の原神では0.6~1.5まで幅広いレンダリングスケールの設定が可能となっています。
このレンダリングスケールとは、ゲームグラフィックを描画するために指定されたモニターの解像度を参考に、どの程度で描画するかという設定です。

デフォルト設定で1.1となっている本設定ですが、当然、低くすることで負荷を下げることは可能です。
しかし、1を下回るとモニターの解像度を下回った数値で描画して拡大表示することになります。

WQHD解像度でのプレイについては、筆者が自ら検証したこちらの記事で掲載しています。

原神において負荷のかかりやすいケース

次に、原神においてPC負荷のかかりやすいケースについて筆者のPCに搭載されているRTX3080で解説します。

テクスチャが重なり合った場所

画像はタップorクリックで拡大します。

通常時
木の上に登り、テクスチャが重なり合うような視点の時

画像を確認して比較してもらうと分かりやすいと思いますが、画像左上に表示している動作状況を表すパラメーターの中で赤く囲っているGPUの状況を表すバラメーターが変化し、負荷がかかっていることが分かります。

WQHDでも最高設定だと場所によっては結構な負荷がかかる(RTX3080)

原神は、数多くあるゲームの中でも十分に最適化が施されたゲームではありますが、オープンワールドで自由な行動が可能なゲームですので、こういった「テクスチャが重なり合ってしまう」ケースが結構多く、必然的に負荷に波が生じます。

高リフレッシュレートモニターでプレイしている

モニターのリフレッシュレートのみを変更し、同じモニター/同じ設定。(WQHDモニター/最高設定)

144Hzモニターを60Hzに固定
144Hzでプレイ

意外なことに、このゲームは60FPSが上限であるにも関わらず、リフレッシュレートの設定によってGPUの負荷が変わるようです。

画像で比較してもらうと分かる通りフレームレートは変動していませんが、GPUの使用率だけ著しく上昇しています。
今回、情報収集用として4Kディスプレイは60Hzのものを採用しており、そのスペックに合わせる為に普段のメインモニタであるWQHD144Hzモニターのリフレッシュレートを変更したところ、このケースが発覚しました。
普段は高負荷時の動作環境を通常として認識していた為、気付くことが出来ませんでした。

リフレッシュレートは入力の応答速度にも影響している

リフレッシュレートは、フレームレートに合わせることで映像をより滑らかにすることが特徴ですが、映像の滑らかさだけでなく、キーボードやゲームパッドの操作を画面に反映する応答速度にも関わっています。
ですので、多少の負荷は仕方ないことですが、今回は、結構な差があったので意外でした。

まとめ

様々な要素に対応するためにゆとりあるスペックの採用がおすすめ

ゲームプレイだけじゃない色んな要素
  • マルチモニターや仮想デスクトップを使用したマルチタスク
  • バックグラウンドに保留しているアプリの数
  • ディスコードや配信サイトでの画面共有

ゲームだけでなく、ゲームをしていながらでも様々な要素で負荷がかかるPCは、やはりゆとりある事が一番大切です。
目的のギリギリ限界ラインを切り詰めてしまうと、後がなくなってモチベーションを削がれる結果を招きかねません。

「スペックの余裕は心の余裕」です。
トレンド性が強いアニメ調ゲームは、最前線を駆け抜けるほど楽しいと思いますので、是非、余裕あるスペックの採用を検討してみてください。

タイトルとURLをコピーしました