密かに話題になっている新作クラフトMMOの「Palia/パリア」をマレーシア人の友人を巻き込んでプレイしたので、このゲームの特徴とプレイした感想・評価を解説します。
アカウント作成、ダウンロード方法はこちらの記事で解説しています。↓
作品概要
ゲームタイトル:Palia/パリア
ジャンル:シミュレーションMMO
デベロッパー(開発元):Singularity 6 Corporation
パブリッシャー(提供元):Singularity 6 Corporation
開発国:アメリカ(ロサンゼルス)
リリース日:2023年8月11日(オープンβ)
スイッチ版リリース日:2023年12月15日
価格:基本無料
対応プラットフォーム:PC,Switch(予定)
公式ページ:Palia※公式ページへ移動します※
Paliaは、アメリカのロサンゼルスに拠点を構えるSingularity 6 Corporationが開発した基本無料MMOです。
Singularity 6は、ヴァロラントやLoLで有名なRiot Gamesに居たメンバーを中心に作られたようで、多国籍メンバーで構成されていることが特徴です。
Paliaの要求スペック
オープンβ PC版Paliaで必要なPCスペックは下記の通りです。Palia supportから抜粋
品質プリセットの提案: 低
OS:Windows 10 64ビット以上
CPU:Intel Core i5-4670K / AMD FX-8350 CPUまたは同等品
RAM:4GB
GPU:GeForce GTX 660 / Radeon R9 270または同等品
品質プリセットの提案: 高 – 中 (またはそれ以下)
OS:Windows 10 64ビット以上
CPU:Intel i5-7300 / AMD Ryzen 3 3300U または同等品
RAM:8GB
GPU:Nvidia GTX 1060 / AMD RX 580 または同等品
VRAM:4GB
品質プリセットの提案: Epic (またはそれ以下)
OS:Windows 10 64ビット以上
CPU:Intel i7-8700 / AMD Ryzen 7 3700x または同等品
RAM:16GB
GPU:Nvidia GTX 1080 / AMD Radeon RX 5700 XT または同等品
VRAM:8GB
推奨スペックで指定されているGPU「GTX1060」では、Paliaをどこまでの設定でプレイ可能なのかをこちらの記事で解説しています。
筆者のPCスペックと最低最高設定の比較
グラフィック設定:カスタム(Epicの少し下)
フレームレート制限:60FPS
解像度:2560*1440(1440P)
OS:Windows11 64ビット
CPU:Intel Core i7-12700K
RAM:32GB
GPU:Nvidia RTX3080 OC
VRAM:12GB
当スペックを使用した最低プリセットと最高プリセットの負荷及び品質を比較した画像を掲載するのでスライドして見比べてみてください。
画像左上にアフターバーナーで計測した負荷を掲載しています。
WQHD解像度(2560*1440)での比較
フルHD解像度とWQHD解像度の比較
スイッチ版のリリースが2023年12月15日に決定!
Celebrate the holidays with Palia… on your Nintendo Switch! ⛄ Palia is officially coming your way on December 14, 2023. 🎉 Check out the gameplay trailer and pre-order now at the Nintendo eShop: https://t.co/yFl0nJp8ci#Palia #PlayPalia #CozyGames #CozyMMO pic.twitter.com/LHsSP9ugOc
— Palia (@playPalia) December 8, 2023
公式X(旧Twitter)にて、正式リリースが太平洋時間12月14日であることが発表されました!
国内版は翌日の15日にリリース予定で詳しくはニンテンドーストアのストアページにてチェックしてみてください!
switchプレイ時の特典
ログイン報酬
switchでPaliaにログインすると、ログイン特典としてハウジングアイテム「描きたてのカエルバケツ」が入手可能です!
【12月15日~2024年1月14日まで期間限定あり】アカウントリンクの報酬
「Paliaアカウント」と「Nintendoアカウント」をリンクすると、2種のアイテムが入手可能となっています。
特別衣装である「Leapfroggy 」は、期間限定のアカウントリンク報酬のため、注意が必要です。
特典を受け取ることができるアカウントリンクの期間は、switch版Paliaがリリースされる太平洋時間12月14日~2024年1月14日までです。
総合評価
真の”基本無料”牧場ジャンルMMO
課金要素は衣服のみ
結論としては、ついに出てきた「真の意味で基本無料のMMO」だというのが率直な感想です。
基本的なゲームシステムは、ありがちな要素で構成されていたり、グラフィックは無料ゲームの範疇に留まるとはいえ、買い切りゲーム並のボリュームをプレイでき、基本無料ゲーム特有の行動・回数の制限がないのは異常です。
課金要素が現状、課金限定の衣服のみであるというのが特徴で、今まで牧場ジャンルを遊んできた人はもちろんのこと、これから始める人にもお勧めできる最高の無料ゲームです。
ゲームの特徴
ソロ・フレンド用の独立したクラフトエリアとその他コンテンツのマルチワールド
クラフト要素は自身の拠点のみ
このゲームは、自身の活動拠点及びクラフトを行う事が可能な自分専用のクラフトエリア、クエストの進行、アイテムの購入や狩り、採取などが行えるセミオープンワールドのマルチエリアの2つに分かれていることが大きな特徴です。
2023年12月9日実装パッチ0.175から日本語対応済み
英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語の5言語から始まったPaliaですが、2023年12月9日に追加されたパッチ0.175にて、ついに念願の日本語が実装されました。
AI翻訳が中心で堅苦しさや翻訳ミスなどが散見されますが、日本語を中心に構成されているだけでも没入感には歴然の差があり、今後の追加パッチでの改善を気長に待ちながらでもプレイすることが出来ます。
スタミナやHPなどの基本パラメーターがない
クライム以外にスタミナがない
このゲームにはスタミナやHPといった基本的なパラメーターに加え、空腹ゲージや水分ゲージといったサバイバルパラメーターが存在しません。
唯一消費するのはブレワイライクな壁を登る時に表示されるスタミナゲージのみとなっています。
世界観ストーリーは会話とギミック攻略が中心
簡易的なギミック(謎解き)を行うダンジョン攻略
ダンジョンを攻略するために開ける必要がある扉などには様々な要求が書いてあります。
例えば、このダンジョンの扉を開けるためには「生命を育むものを与えなければならない」と書いてあるのですが
扉の目の前に、ギミックを解くためのオブジェクトなど(今回は錆びたボウル)があるので、そこで扉に書いてあることを指示通り(今回はジョウロで水を入れる)行えば完了といった簡易的なギミックが中心となっています。
マネタイズに起因したプレイ制限がない
全部できる
「アイテムの換金は1日〇回まで」、「特定のアイテムやアクションのクールタイムはリアルタイムで計算」など、基本無料ゲームにありがちな無課金での行動制限や回数制限などが一切なく、買い切りゲーム並のボリュームを自分のやりたいままにプレイし続けることが可能。
行動を隔てる内容を強いて挙げるのであれば、採取・クラフトしたアイテムの売却で獲得できるゲーム内通貨の資金繰りのみであり、ゲームの外側で作られたマネタイズは一切ゲームプレイに干渉してこないことが特徴です。
ゲームのシステム
クラフト
クラフトゲーム定番の2種が基本
このゲームのクラフトに必要な素材のほとんどは、クラフトゲームでおなじみの「斧」や「ピッケル」を使用して収集します。
全てチュートリアルで配布され、基本的に耐久値はありません。
より上位のツールの入手方法は、特定の採取を繰り返すことでスキルレベルを上げ、アップグレードレシピを獲得し、既存のツールをコーティングするような仕様となっています。
「銅」などでアップグレードしたツールはアイコンを囲むように緑色のゲージの耐久ゲージが出現します。使用するたびにゲージが減少し、使い切ると1段階グレードが下がります。
ゲージを使い切ってしまう前に「リペアツール」というクラフトできるものでリペアすれば、ゲージが回復しグレードダウンを防げます。
TPSとトップビューに切り替えられる「アイテム配置」
このゲームのクラフト要素の特徴として、2視点を活用した配置方法があります。
特に家屋などの大きな建築物は全体像を見ながら配置可能であるトップビュー視点での配置がとてもやりやすく、この2視点の実装はユーザービリティを追求した仕様だと感じました。
家屋に配置したオブジェクトもまとめて移動
今までのクラフトゲームでは意外とありそうでなかった「まとめて移動」。
クラフトゲームでありがちな「少しだけお引越し」が簡単に行えるもの好印象でした。
狩り
複雑な要素はなく、手軽な狩りが可能
このゲームにおける「狩り」の要素は、基本的な操作のみで完結しており、複雑な操作を必要としません。
装備している「弓矢」のグレードに依存して、対象を仕留めるのに「必要なヒット数」が変わる程度で手軽に楽しめます。
レアな動物もたまにいる
色合いや瞬間移動など特殊行動を含めて通常とは違ったレア個体も存在します。
簡易的な狩りでありながらも、希少性という醍醐味が用意されています。
レア個体を追いかけていると、人がどんどん集まってくるのでMMOらしい良さを感じられます。
釣り
トラッキング(追跡)アクションの釣り
釣りも複雑な要素はなく、操作は至って簡単なものになっています。
逃げる魚をマウスの左クリックをホールドしながらトラッキングして、魚を緑の()内に納め続けて自分の目の前まで持ってくると成功です。
魚が()から出てしまうと、画像中央下部のゲージが減少し、0になると魚が逃げてしまいます。
()から外れると()が赤く表示されるので分かりやすく、マウス一つで完結するシステムです。
トラッキングは魚の軌道をなぞるようにする感じで、最近流行しているFPSゲームのAPEXでは主流のテクニックですので、得意な方は多いのではないでしょうか。
魚にもレアな品種が存在しており、レア度に応じて難易度が上がるので、マウス一つの簡単操作とはいえ、やりごたえがありますよ。
昆虫採集
ポ〇モンみたいな捕まえ方で捕まえる
日本人には馴染み深い「虫取り網」を使うのではなく、「麻酔粉」が入った袋を虫に向かってぶん投げることで捕獲することができます。
麻酔粉や昆虫にも様々なグレードがあり、それぞれに応じて捕まえるのに必要な「麻酔粉をヒットさせる回数」が変わってきます。
低グレードの麻酔粉は簡単に量産することが可能で、レアそうな虫を見つけたら手数でゴリ押しすることも可能です。
栽培
4ステップの簡単農業
季節などの制限もなく、種ごとに設定された日数をゲーム内時間で過ごすだけの簡単な栽培が可能です。
種は基本的にショップで購入し、クラフトが進むと自分で種の量産が可能になります。
栽培作業好きの友人によると、品質上昇や栽培時間短縮など様々な肥料が存在し、撒いた肥料が見た目だけでなく、文字で可視化されていてとても分かりやすいとのこと。
料理
ちょっとしたミニゲームが楽しめる
制限時間以内に、青線が半透明の線と重なったタイミングでクリックするシンプルなリズムゲームですが、最近の牧場風ゲームでお馴染みのちょっとした「手間」が楽しめる料理です。
レシピの種類も豊富で、レシピのグレードによってミニゲームの工数が増えたり、フレンドを家に招いて一緒に1つの料理を作れるというパーティ要素も兼ねています。
サバイバルメーターが存在しない本作においての料理は、ツールを使った採取や狩りなどで得られるスキルレベル経験値をバフしてくれる存在なので、実はかなり重宝します。
採取・クラフトしたアイテムの換金
いつまでも金が足りねんだわ・・・
このゲームでは、初期⇒銅、銅⇒鉄といったクラフトツールのグレードアップや設備を充実させる為に、レシピを特定のNPCから購入しなければなりません。
レシピを購入するために必要な「Gold」は、採取・クラフトした素材を売却箱に入れ、売却して換金することで入手できます。
売却のタイミングはゲーム内時間の「朝と夕方」の2回で、Goldが手元に来るのは売却タイミングもしくはそれ以降に自分専用のクラフトエリアに居た時ですので、マルチエリアで探索しているときに売却のタイミングが来た場合は、一度自分のエリアに戻る必要があります。
NPCと他プレイヤーとの交流
友好度と好感度
NPCと毎日会話をしたりプレゼントを贈ると、友好度が上昇します。
友好度が上がることでNPCクエストが解放されたり、NPCの自室へ入ることが可能になります。
また、ハートマークが付いているNPCは、友好度が一定に達するといった特定の条件を達成すると、好感度の上昇が可能になります。
好感度を上昇一定まで上昇させることで「交際」が可能になります。
他プレイヤーとの交流を強制される要素はない
オープンβ版である現在は、他プレイヤーとの交流を強制される要素はありません。
現バージョンの最終グレードに位置する素材の中には、1人では採取不可能な(自己再生する)木などが存在しますが、見つけた人がワールドチャットで報告し、3人程度集まれば無言で採取して解散といった程度の内容くらいで、コンテンツとして必ず参加を強制されるマルチ要素はありません。
気になる点
クラフトの進行は比較的緩やか
家が建つまでリアルタイムで8時間など
「えぇっ!?ここにきてリアルタイム計算!?」となりましたが、その間にゲームの進行が一切できなくなるわけではなく、何ならこの間に貯まったクエストを消化してしまおうというきっかけになりました。
加工品は1つ辺り3分くらいかかる
銅や石などの加工アイテムは基本的にクラフトしたアイテムで自動製造されるのですが、買い切りのクラフトゲームに遊び慣れていると、この辺の製造時間が少し長いなと感じます。
ただ、オフラインゲームと違ってオンラインのゲームなので、ログアウト中も製造されているという特徴があるので、そこまで長くは感じないと思います。
肝心の”MMO”要素はほとんど未実装
実装待ち。なくても困ってはない
MMOの醍醐味でもあるコミュニティ要素はコミュニティが作成可能なだけで、関連するコンテンツはほとんど未実装の状態。
アップデートを待ちながら気長にやるのが良いでしょう。
MMOとしての強み「リクエスト」
このゲームでは、1日5回まで自分が指定したアイテムをフレンドを含めたワールドのユーザーに寄付してもらえる「リクエスト」機能があります。
ゲームの進行度が進むほど、人によっては余って仕方がないアイテムが出てくるので、その辺の使い道が雑な換金以外にも簡単な交流要素として用意されているのはMMOとしての強みではないでしょうか。
「リクエスト」では、自分が今までに取得したアイテムから選択して他のプレイヤーへリクエストすることが可能です。
アイテムごとに貰える数が決まっており、任意の数への変更は不可。
日本語対応は続報待ち⇒パッチ0.175にて念願の日本語実装
現状は英語でのコミュニケーションが中心
EU圏を中心に展開されている本作は、サーバーや字幕を含め、日本向けのローカライズがされていないため、どこのサーバーでも英語でのコミュニケーションが中心となっています。
ただ、他プレイヤーとの交流が必須であるコンテンツは現状なく、チャットでの交流も「ユーザーがユーザーの質問に答えている」程度なので、ハードルはそこまで高くありません。
また、switch版のリリースが予定されていたり、日本産のゲームで見たことがあるような要素が含まれているため、ゲーム開発の視点から日本を意識していないわけではないと思われます。
日本向けのローカライズを期待しながら、ゆっくり進めておくのも良いかもしれません。
※12月8日追記※
本日発表されたパッチ0.175アップデートにて、言語の追加が行われ、そこには念願の日本語が追加されていました。
AI翻訳でちょっと堅苦しい言い回しだったり、ところどころのセリフが翻訳されていなかったりと完璧と言えるほどのローカライズではありませんが、苦手な身ながら英語環境でプレイしていた筆者からすると、文句なしの環境改善で念願のストーリー進行を行うことが出来るので楽しみです。
ゲームパッドサポートはまだ⇒実装済み
多分すぐに来る
PC版でのみオープンβが提供されている現在では、キーボードマウスのみのサポートとなっています。
しかし、ゲーム内の設定にはゲームパッド専用の項目が既に存在しており、switchでのリリースが予定されているので、それに合わせてゲームパッドサポートが提供される可能性が高いです。
※12月8日追記※
現在では、ゲームパッドサポートが実装され、正式にゲームパッドを使用してゲームをプレイすることが可能になっています。
強いて言うなら”チーター”の出現が懸念点
PCゲーム市場においての不治の病
PC版のオンラインゲームと言えば「チーター」と言っても過言ではないでしょう。
筆者は長いPCゲーム歴から様々なチーターを見てきましたが、競争性の高いジャンルでの「ズル」だけでなく、他プレイヤーの妨害目的でチートツールを使用する者もいます。
競争性のないジャンルでの本作では、後者のチーターが出現する恐れは拭いきれません。。。
まとめ
大人から子供まで幅広く楽しめる基本無料コンテンツ
競争性のないジャンル
クラフトシミュレーションMMOというジャンル展開される本作「Palia/パリア」はMMOの中でも競争性がなく、その性質上からユーザー間での争いが起きにくいゲームであると思いました。
比較的クリーンな環境で大人から子供まで楽しめ、switch版もリリース予定である本作は、家族で楽しむゲームとしても名を挙げるようになるかもしれません。
日本語対応マルチプラットフォームでボリューム満点な基本無料MMO
日本語化されれば確実に注目される
クラフトゲームの基本となる全ての要素に加え、NPCとの交友といったシミュレーション要素を兼ね備えたこのゲームは、文句なしのゲームボリュームです。
ソロでも楽しめるクラフトゲーム。逆に言えばソロだとどこか寂しさを感じてしまって始めるきっかけがないゲーマーも多いはず。
そんな中での、ソロでも可能なクラフトシミュレーションとMMOの統合、マルチプラットフォームでクロスプレイ対応、さらには「無料ゲーム」というハードルの低さも持ち合わせているため、色んな人を誘って自分たちのゲームコミュニティを拡大していくことも可能です。
Paliaをプレイするときに意識しておきたいゲームの仕様などはこちらにまとめました!↓