大人気漫画「僕のヒーローアカデミア」を題材にし、9月29日から配信開始された最新作バトルロイヤル「僕のヒーローアカデミアULTRA RUMBLE」をプレイしてきたので、ゲームの特徴を解説するとともにプレイした感想などを解説させていただきます。
作品概要
ゲームタイトル:僕のヒーローアカデミアULTRA RUMBLE
ジャンル:ヒロアカ多人数対戦アクション(チームバトルロイヤル)
デベロッパー:ByKING
パブリッシャー:Bandai Namco Entertainment
対応プラットフォーム:PC/PlayStatnion4 / XBOX ONE /Nintendo Switch
公式サイト⇒僕のヒーローアカデミアULTRA RUMBLE公式サイト
価格:基本無料
OS: Windows 10
プロセッサー: AMD Ryzen 3 1200 / Intel Core i5-3470
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: AMD Radeon R9 280X / Nvidia GeForce GTX 660Ti
DirectX: Version 11
ネットワーク: ブロードバンドインターネット接続
ストレージ: 6 GB の空き容量
本作は、ByKINGが制作を行い、バンダイナムコによって提供される基本無料チームバトルロイヤルです。
3人1組のチーム×8チームで生き残りを賭け、制限時間毎に活動可能エリアが収縮するマップで各キャラクターに用意されたスキルをレベルアップしながら、対抗チームと激戦を繰り広げるのが特徴のゲームです。
デベロッパーであるByKINGによる代表作は「機動戦士ガンダム 戦場の絆Ⅱ」や「星と翼のパラドクス」といったゲームセンターの筐体ゲームが有名ではないでしょうか。
普段、オンラインサービスを担っている「バンダイナムコオンライン」事業部からの提供ではないのも特徴ですね
個人的な評価
サーバーが貧弱過ぎるものの可能性は感じるIPゲーム
リリース早々に多くの注目を集めることに成功した本作は、好調スタートと思いきや、サーバー接続の不安定さによって不満が続出。
PCプラットフォームである「STEAM」でのユーザーレビューは「賛否両論」からスタートしました。
公式も現象を把握しており、この勢いを逃さないよう一刻も早く改善することを期待したい。
ただ、個人的には「大味ながらも可能性は感じられる」というのが率直な感想。
大型IPを使用した「IPゲーム」でありながら、昨今の流行ゲームとは少し違ったオリジナリティが感じられ、「継続してプレイする」ことも十分に検討できるゲームであると思いました。
ゲームの特徴
めちゃくちゃ動作が軽い
PCの話になってしまって申し訳ないのですが、このゲームほんとに軽いんですよね。
筆者がメインPCで使用しているGPU「RTX3080」では144FPSの高設定でも全然負荷がなく、最大で350W消費するモンスターGPUでも100W程度しか消費しない状態。
公式が推奨しているGPUも「GTX660Ti」となっており、これは2012年に発売されたミドルクラスGPUであり、STEAMのユーザー統計で使用率第3位の同ミドルクラス「GTX1060」の4年も前に発売されたGPUです。
本作は、Nintendo Switchでの同時リリースも行われたため、こちらに合わせた開発や最適化が行われた結果、PS4での60FPS実現やPC版での軽量化に成功したものと思われます。
ガチャの追加キャラクターはピックアップ終了後に別の入手方法で獲得可能
本作で登場するプレイアブルキャラクターの中には、ガチャで入手可能なキャラクター達が存在します。
ピックアップ率は各0.5%とまぁまぁキツイ印象。
10連分の石を購入する場合は約3000円ほど。
ガチャを10連引くと「ガシャポイント」が10PTと貯まり、200PT集めることで任意のキャラクターと引き換えることができる天井の仕様。
よくある「無料ゲームのガチャの仕様」であり、同じPvPジャンルのゲームであれば「#コンパス」がそれに近いシステムではないでしょうか。
しかし、X(旧Twitter)の公式アカウントの情報によると、ラインナップから外れたキャラクターはキャラクターチケットを消費することで獲得可能であるとのこと。
解放に必要なキャラクターチケットは、ガチャで重複したアイテムが自動的に変換される「オーブ」を指定の数だけ消費することでショップで交換可能です。
ガチャに必要なチケットやヒーロークリスタルはミッション及びイベントで獲得可能なため、プレイを継続し続けることで任意のキャラクターは開放可能な模様。
とは言っても、配布の頻度は不明だし、ガチャでアイテムが被るかどうかは運次第なので、遠回りせざるを得ないことに変わりはないですけどね
プレイアブルキャラクターは最初から多め
現在実装されているキャラクターはガチャピックアップの3種を含めた全18種で、リリース初期であることを考えると比較的多めの印象。
ただし、無条件で選択可能なキャラクターは緑谷出久、麗日お茶子、マウントレディ、セメントス、死柄木弔、荼毘の6人のみ。
OBTで登場した飯田天哉、上鳴電気、拳藤一佳は前述したキャラクターチケットを使用した開放のみとなっている。
その他の爆豪勝己、轟焦凍、オールマイト、蛙吹梅雨、コンプレス、トガヒミコは「スペシャルライセンス」と呼ばれるもののランクアップで開放可能の模様。
各キャラクター解放に必要なランクは下記。
必要なランク | 開放されるキャラクター |
---|---|
2 | 爆豪勝己 |
3 | 轟焦凍 |
7 | 蛙吹梅雨 |
13 | コンプレス |
15 | トガヒミコ |
30 | オールマイト |
開始ポイントは”降下”ではなく任意で指定可能
本作では、バトルロイヤルゲームの多くで見受けられる「降下アクション」からでのスタートではなく、PTメンバー全員がマップで任意のポイントを指定してスタートが可能。
選択によっては孤立してしまうなどのデメリットはあるものの、PTリーダーがスタートの所有権を担うという重たい行為が求められないのは好印象ではないだろうか。
PvPだけでなくPvEも可能
PvPはもちろんのこと、このゲームでは自身以外のPTメンバー及び対戦相手が全てCPUで構成されるCPU戦も用意されています。
「EASY」「NORMAL」「HARD」の3種から選択でき、試合後のプレイヤーレベルやライセンスの経験値も獲得可能なので、こういったアクションゲームが苦手な人でも難なくプレイすることが可能。
多対1の攻防は可能性0
本作をプレイしていて強く感じたのは「自分だけが残ってしまった時の無力感」。
味方を復帰させるためには味方がK.O.された場所にドロップするバッジを回収する必要があり、復帰させた場合は全てのスキルレベルがリセットされた状態で復活する。
ラウンド終盤になると敵や味方がK.O.された際にドロップしたアイテムを使って対抗チームがより強化されているため、1人での逆転はほぼ不可能。
どうにか味方を復帰させたとしても強化された対抗チームを相手に全リセットされた味方とともに勝利を勝ち取るのは至難の業。
この辺りは、もう少し弱者側にチャンスがあってもいいかもしれない。
まとめ
大味ながらも非常にまとまってはいるIPゲーム
IPゲームとして、作品に登場する各種キャラクターの能力をゲームに落とし込みつつ、露骨なゲーム性の崩壊を感じさせずに快適にプレイできる非常にまとまったIPゲームだと感じました。
プレイアブルキャラクターのバランスも、明確に壊れているようなキャラクターは存在せず、評価が低いキャラクター達もどんどん開拓されていくことで評価が変わると思います。
クロスプレイ非対応なのも魅力のひとつだと感じる
主要なプラットフォームのほとんどで展開される本作は、クロスプレイには対応せず、昨今のクロスプレイ展開を中心としたゲーム業界の逆張りのようになっています。
クロスプレイ非対応に憂える声もあるものの、30/60FPSにしか対応できないCS機と無制限に対応可能なPCといったそれぞれの技術的な問題、それに伴うクロスプレイ実装時に対応せざるを得ない補正、何よりも「そのプラットフォームでプレイする選択の尊重」が見えて非常に良いと感じました。
マネタイズが気にならないなら一見の価値あり
本作では、プレイアブルキャラクターの課金制など、国産の「基本無料ゲーム」の定番となってしまっている「インゲームに干渉するマネタイズ」は、撤廃しきれていないながらも「遠回りすれば入手可能」という位置にまで緩和されているように感じたので、プレイを遠回りせざるを得ないマネタイズが気にならないのであれば、プレイしてみる価値は十分にあるゲームです。